使える「セイタカアワダチソウ」

gura

こんにちは、ぐらです。この前まで咲いていた彼岸花も姿を消し、最近では道路脇や空き地のあちこちにセイタカアワダチソウの黄色い花を見かけます。

「いい加減に草刈りをしなきゃな、」と思われている人も多いと思います。

一時期、特定外来種に認定されていたこともあり、あまり歓迎されない植物というイメージが強いのですが、実は原産地の北アメリカではハーブや塗り薬としても利用されていたようです。

今回は,花粉症の原因にもされがちな、セイタカアワダチソウの真実についてお話ししていきたいと思います。

無実なのに…

セイタカアワダチソウは、北アメリカ原産の外来種で1897年に日本に入ってきたそうです。別名をゴールデンロッドといいます。

帰化植物で、環境省が平成17年に発表した要注意外来生物リストに載っていましたが、平成27年には発展的解消に至っています。

河川敷等で見られる大型の多年生草本で、絶滅危惧種を含む在来植物のうち希少種等との競合・駆逐のおそれが高い地域については、現在でも積極的な防除、または分布拡大の抑制策などが行われています。

セイタカアワダチソウは、とかくよく似た植物のブタクサと混同され、花粉アレルギーの元凶であるなどの濡れ衣を着せられがちです。

また数が増えすぎて嫌われる植物のひとつにもなっています。しかし、セイタカアワダチソウの周りにはよくミツバチか飛んでる様子を見かけるように、じつは花粉をミツバチなどの昆虫によって媒介させる蜜源植物であり、花粉を風に乗せてばらまく風媒花ではありません。従って花粉症の原因には考えられにくいのです。

そして、 平成に入る頃には、その領域に生息していたモグラやネズミが駆除されてきたことによって、土壌に肥料成分が蓄えられなくなったこと、また根部から出るアレロパシー効果(植物が放出する化学物質が、ほかの植物や虫に対して殺菌や成長・発芽の抑制、忌避作用などにより阻害的に作用したり、生長の促進など共栄的に作用したりするなど、よくも悪くも何らかの作用をもたらすこと)のため、他の植物を駆逐してしまうのですが、やがてその土壌が変わってしまうと次第に種子の発芽率が抑えられ、立派な繁殖が少なくなり、次の土地を求めて西から東に移動してゆくそうです。

その結果、セイタカアワダチソウの勢いが衰えてきた土地には、再びススキなどの植物が勢力を取り戻しつつあり、逆に北アメリカではススキが侵略的外来種として猛威を振るい、セイタカアワダチソウなどのゴールデンロッド類の生息地が脅かされているそうですよ。

自然の力学は面白いですね。

セイタカアワダチソウとブタクサの見分け方としては、セイタカアワダチソウの葉は笹の葉のような、すっとした形であるのに対して、ブタクサは菊の葉のような形をしています。

花粉アレルギーのある方は、くれぐれもお気をつけください。

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セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウ に対する画像結果

セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウ に対する画像結果

セイタカアワダチソウのつぼみ

これは↓ブタクサの葉です。

ブタクサの葉
これがブタクサの葉! 間違えないで!!

毒出し効果

セイタカアワダチソウには体内の毒を排出してくれる効果があり、特にアトピー性皮膚炎に効果が見られるそうです。

お風呂に入れて、エキスが浸み出したお湯は美しい黄色になり、ほのかに香りがし、その湯に浸かると肌がすべすべなめらかになるそうです。

また、酵素の働きによりお湯は殺菌され、3日くらいそのまま使えるそうですよ。そしてその名のごとく、お湯が泡立ちます。

つぼみの頃が一番効き目があり、使い方としては穂先30㎝くらいのところで切り、一晩干ししてから使います。それをネットやストッキングに入れて浴槽に入れるだけでいいそうです。家の近くにたくさん咲いていますので、わたしも一度試してみたいと思います。

近所で摘んだセイタカアワダチソウを吊るし干し

また、セイタカアワダチソウの葉にはフラボノイドが含まれているため、炎症を緩和する効果もあり、ヨーロッパでは葉を潰して、虫刺されに塗ったり、外傷の止血剤などに用いられてきました。また、全草の煎じ汁は喉の痛みや頭痛,解熱に効果があるそうです。

なんと、食べれます

またなんと、セイタカアワダチソウはセイタカアキノキリンソウとも言われ、このまえのコオロギに続いてSDGsな食材なのです。

若芽、葉、花が山菜として利用されています。

ハーブティーとしても利用でき、インフルエンザの予防に効果もあるし、尿の出をよくする効果もあります。

家に置いてある「家庭の医学」の本に書いてあるこのお茶の作り方は、『秋に黄色い花が穂状に咲いているときに根元から切り取り、日干しにして一日量として15gを煎じ数回に分けて服用する』としています。一度試してみなければ…

食感はギシギシして、あまりよくないそうなので、4分ほど茹でて、一晩水にさらしてから刻むか、すりつぶして使うのがよいそうですよ。

味はヨモギの強烈な感じだそうですので、少量を白和えやパンケーキなどに混ぜ込むと食べやすいようです。

手間をかけたくないときは天ぷらが無難です。一部堅くて食べられない部分があるかもしれません。

まとめ

セイタカアワダチソウを調べてみたら、とても重宝する植物でした。

ドクダミにしても地下茎でどんどん増えて、疎まれがちな雑草ですが、あれもデトックス効果があり、昔から日本でもお茶にしたり、天ぷらにしたり、お風呂に入れたりしています。

必要なものはけっこう身近にあるものですね。

地球からの無償の愛を感じます。

皆さんも、今まではやっかいな雑草にしか見えていなかったセイタカアワダチソウが、今日からは貴重な食材に見えて来ると思います。

そのうちこれを実際に利用してみて、また感想をブログでご報告したいと思います。

追記

後日、実際に乾燥させたセイタカアワダチソウの穂先を集めて乾燥させ、お風呂に入れてみたところ、お湯が目に見えて黄色くなることはなかったものの、お湯は滑らかで、どことなく蓬とどくだみを足して2で割り、薄めたような匂いでした。

そして肌はしっとりして、髪をセイタカアワダチソウのエキスが出たお湯のみで洗ったのですが、加齢臭も消えて、髪に艶がでた気がしました。

厄介者扱いされる雑草にこんなメリットがあるなら儲けものですね。

皆さんも機会があれば,一度お試しください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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林檎の中にじゃがいもを入れるとリンゴから発せられるエチレンガスの影響で、じゃがいもの芽が伸びるのを防ぐ役割があるそうです。