ベーシックインカムと檀家制度

gura

こんにちは、ぐらです。

今回は「ベーシックインカム」について考えてみたいと思います。

ベーシックインカムとは

まずベーシックインカムとは、最低限の所得保障のひとつで、政府が全国民に対して決められた額を、定期的に預金口座に支給するという政策であり、現在問題となっているワーキングプアや少子化対策にもなると期待されている制度です。

ベーシックインカムの歴史

賃金補助制度(ベーシックインカム)の歴史は古く、1597年にイギリスにおける救貧法により人々から救貧税を徴収して貧民を救済するエリザベス救貧法が制定され、国家単位で行われました。

その後イングランドの哲学者であるトマス・ペインやトマス・スペンス、ベルギーの思想家ジョセフ・シャルリエやジェー・エスビルなどがベーシックインカムを行いました。

ベーシックインカムの利点とは

ベーシックインカムとは年金や雇用保険、生活保護などの社会保障制度や公共事業を縮小して統廃合することにより、公平でシンプルな小さな政府を実現するのに役立つといわれています。

また最低限の生活を全ての国民に保障することで労働から解放され、企業も雇用調整を簡単に行うことができるようになったり、転職しやすくなり、富の格差の解消や、社会不安の解消などにも効果があるともいわれています。

そしてベーシックインカムの最終的な目標は、一定の所得を国民全員が無条件で受けることにより、誰もが最低限以上の生活を送れるようになるため、ワーキングプアなどの問題解決につながると期待されているのです。

また現在の生活保護制度や雇用調整助成金では働かない現状を維持するための給付になっているという意見もありますが、この制度を導入すれば勤労意欲を奪うこともなくなるかもしれません。

財源の確保と行政コストの削減

でも、国民全員にお金を配るっていうけど、その財源はどうするの?

また未来に借金するの?って、不安になりますよね。

年間100兆円ほど必要となる財源の確保についてですが、山崎元氏の試算によれば、年金生活保護、雇用保険、児童手当や各種控除をベーシックインカムに置き換えることにより、増税することなく日本国民全員に毎月46,000円のベーシックインカムを支給することが可能であるとしています。

具体的には日本の社会保障給付費は平成21年度で総額99兆8500億円であり、ここから医療費の30兆8400円を差し引くと69兆円で、これを人口1億2500万人として単純に割ると月額46,000円となります。

そのうえに社会保障制度の簡素化を進めれば、現在実施されている年金制度や障害年金などの社会保障制度のうち、失業保険、生活保護などをベーシックインカムに一本化することにより事務にかかる運用コストがなくなるうえ、問題になっている生活保護の不正受給問題が解消できるといわれています。

ベーシックインカム導入の利点

では、ベーシックインカムを導入することにより、どのようなメリットがあるかと言えば、

まず仕事と余暇の配分を自分らしく選べるという利点があります。

また余暇を楽しむ選択幅が増えるので、経済的効果も高くなると予測されます。

そして安定した現金の支給があるために、いままでブラック企業などで仕方なく働かなければならなかった人たちが仕事を止めることができ、結果的にブラック企業の淘汰にもつながります。

また苦痛を感じながら生活のために会社に行かなくてよくなり、うつ病などの精神疾患患者の症状が改善したり、医療費の軽減や新たな雇用の増加にもつながるかもしれません。

自己責任を強いる国 日本

ここでイギリスのチャリティー団体CAFが2018年に行った結果ですが,「世界人助け指数」では世界144国中、なんと日本は128位だったそうです。

  • 他人を助けたか 142位
  • 寄付したか  99位
  • ボランティアしたか 56位

貧しい人々の面倒を見るべきかと言う問いにハイと答えた人

イギリス91%

中国90%

韓国87%

アメリカ70%

日本59%

先進国では最下位だそうです。

ほかにも日経リサーチで日本人1800人にアンケートした結果には、「他人を信頼していない」と回答した人が80.7%だったそうです。

集団に帰属し、集団のルールを守る限りは安定的な生活を保障されますが、集団のルールがなくなれば助け合いもなくなるそうです。

このままでは今後ますます日本人がより利己的でさらに自己責任を強いる国になっていく恐れもあります。

各国の宗教観の違い

普段ニュースを見ていると、これでもかというくらい朝夕お構いなしにさまざまな事件が止めどなく報道されています。

そして凶悪な事件の後にすぐ最新のグルメ情報とかの話題に切り替わります。

これでは知らず知らずのうちに感情のチャンネルがバカになってしまいます。

わたしたちはそれに慣れてしまい、物事を深く考えたり、その人の立場に立って思いやることがなくなり、結果他人に無関心で冷淡なっていくのでしょうか。

とくに他人の失敗に対する凄まじいテレビやネット上のバッシング、自己責任論が幅を利かせています。

しかしイギリスやアメリカでは若者からお年寄りまで自分の力を惜しみなく他者のために使うべきだという考えが一般的に定着しているそうです。

どうしてこのような違いを生じるのでしょうか。

それは宗教観の違いからくるものかもしれません。

日本的な村八分思考

日本では檀家制度というものがあり、江戸時代に徳川家康の政策として根付きました。

1.日本人は必ず仏教のどこかの宗派に属しなければならない。

2.先祖代々の宗派を変えてはいけない。

これにはキリシタン弾圧という意味合いもあったようですが、大まかに言えば、寺を幕府の出先機関として租税管理や人口の増減を把握をするために利用していたという背景があります。

いまは市役所が戸籍や現住所管理の役割を担っていますが、この制度がほぼ400年ほど続いているのです。

また第二次大戦下には国民統制のために作られた地域組織「隣組」というものありました。

隣組は町内会・部落会の下に属し、近隣数軒が一単位となって、互助・自警・配給などにあたっていたようです。

これ自体は宗教ではありませんが,思想的にはとても似通っている印象を受けます。

宗教は管理システムの一翼を担っていたようです。

実現可能だとは俄かには信じ難い「ベーシックインカム」ですが、今後ますます盛んに議論されていくと思います。

私たちは賛成・反対を頭から決めつけずによく関心を持ち、よく理解した上で各々の結論を出していきたいですね。

今後「国は貧しい人々の面倒を見るべき」と答える日本人がイギリスや中国のように90%を超える「精神的に豊かな国」になることを心から願っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました😊

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