こんにちは,ぐらです。
今日は、大好きな本を紹介したいと思います。
「タルマーリ」は、実際に鳥取県の智頭町にあるパン屋さんです。
2013年9月に講談社から出版された「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」という本を執筆されたのが、ここのパン屋さんのご主人である渡邊 格(いたる)さんです。
奥様とともに閉園した保育園を改築し、パン屋さん兼カフェを営まれているのですが、地元はもちろん県外にもファンが多くいて、早めに行かないと目当てのパンが売り切れてしまうこともしばしばなのです。
タルマーリとの出会い
わたしがタルマーリを知ったのは、まだ岡山県の勝山で営業されていた頃です。きっかけがネットだったのか、新聞だったか定かではありませんが、とても気になる存在でした。
冬季はお休みされていたようなので、なかなかお店に行くこともままなりませんでした。
営業を再開されたらすぐに行こうと,ホームページを随時チェックしていたところ、なんと鳥取県に移住してこられたのです。
この本には今の現実と今後の理想が詰まってる
この本の面白さは、なんといっても色々な味を楽しめるところです。
当然、本がいろんな味がするのではなくて、サクセスストーリーとしても、経済書や哲学書、おまけに天然酵母パン作りの指南書、お店の開き方、環境問題、経営学、SDGSの面でも、とても参考になるのです。
内容満載で、この本一冊で10冊分くらいの価値があるんじゃないかと思います。
タルマーリのご主人がこの本を出版してくれたことに感謝し、もっと多くの人に知ってもらえたらいいなと思ってご紹介しています。
この本の根幹にあるもの
本の中にこんな文章があります。
『自然界では、「菌」の営みによってあらゆるものが土へと還り、「循環」のなかで生きとし生けるもののバランスが保たれている。
ときおり環境に変化が起こり、バランスが失われたときも、「循環」のなかで自己修復の作用が働いて、バランスが取り戻される。その自然のバランスのなかで、誰かが独り占めするわけでも、誰かが虐げられるわけでもなく、あらゆる生物がそれぞれの生を全うしている。
「腐る」ことが、生命の営みを成り立たせている。
この自然の摂理を、経済活動に当てはめてみるとどうなるだろうか。
生を全うする根底に「腐る」ことがあるのだとすると、「腐る経済」は、僕らひとりひとりの暮らしを、穏やかで喜びに満ちたものへと変え、人生を輝かせてくれるのではなかろうか。
自然界の「腐る」循環の中では,ときに「菌」たちが、パンやビールや日本酒など、人間にとってありがたいものをもたらしてくれる。
デンプンをブドウ糖に分解(糖化)し、タンパク質をアミノ酸に分解する。
菌という生命の営みが人間に恩恵をほどこしてくれる「発酵」は、僕たちの世界を味わい深く豊かにしてくれるのだ。
それと同じように、人間も地域も、「腐る経済」によって、内なる力を発揮し、本来の生の滋味を満喫できるようになるのではないだろうか。
僕には、マルクスが解き明かした資本主義の矛盾を解くカギを、「菌」が示してくれているように見えた。
「田舎のパン屋」になった僕らが,マルクスと「菌」から教わった答え。それが、「田舎のパン屋」が見つけた「腐る経済」だ。』
この本の中には、こんな文章が幾つもキラキラしています。
天然酵母パン作りに挑戦!
前にも書きましたが、要所要所にパン作りについて、絵入りで紹介されています。その絵も字もとっても可愛いのです。
それを見ていると、どうにも挑戦したくなり、私も天然酵母をつくるところからパン作りを始めました
。最初の頃は、果物にくっついている酵母菌からパン種を作るのが難しく何度も腐らせました。
そのうちコツが掴めてくるとなんとか上手く作れるようになり,楽しくて仕方ありませんでしたが,今は訳あってパン作りは休止しています。
また機会があれば始めようとは思っていますが。
そしてタルマーリには念願叶い、何度か訪れました。
酒種パンを初めて食べた時のあの感動は今でも忘れられません。
パンの生地が見事に膨らみパンを割ると中に透明な部屋がいくつもあるような感じなのです。(分かりづらいf^_^;)
生まれて初めての味でした。ピザもとても美味しいです。
そして、鳥取県に移住された目的の一つとして、酵母でつくるビールを始められたという理由がありました。すごいですね。
最近はあまり伺えてないので、また近いうちに美味しいパンを買いに、早起きしていこうと思っています。
オンラインショップもありますので、興味のある方はぜひ!!
最後まで読んでいただきありがとうございました😊
田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 タルマーリー発、新しい働き方と暮らし (講談社+α文庫) [ 渡邉 格 ] 価格:869円 |