アドラー的考察とは
こんにちは😃
早速ですが、皆さんは岸見一郎著「嫌われる勇気」を読まれたことがありますか?
出版されてから、すでに5年以上経っていると思います。私もこの頃、この本を読み衝撃を受けた一人でした。
『嫌われる勇気』は一言で言うと、アドラー心理学を岸見一郎氏がわかりやすく解説したものです。
岸見一郎氏の『嫌われる勇気』は、アドラー心理学を修得している哲人と、悩みを抱える青年との対話を中心に描かれています。その対話を追いかけているうちに、読者はアドラー心理学の真理に迫ることができるのです。
始まり
ある時、アドラーはひとつの結論にたどり着きます。それは「全ての悩みの原因は対人関係である」ということです。そしてその悩みの解決方法が『嫌われる勇気』であるとしています。「世界がどうあるかではなく、あなたがどうであるか」(『嫌われる勇気』p6より引用)である、と。
トラウマって本当??
同時代の哲学者でスイスの精神科医カール・グスタフ・ユングが唱えた「過去のトラウマがのちの人格形成に大きく作用する。」というのが通説でした。
例えば、過去に牡蠣を食べて食中毒を起こしたから今は食べれない。とか
わたしが何かつぶやくと炎上するからコメントしないとか。
昔、知人に騙されたから、人を信用することができないなど、
結果の前には、原因が存在する。と考えるのが、ユングのコンプレックス心理学というもので、どちらかというとわたしたちが永らく親しんできたものの考え方でしょう。
ところが、哲人はアドラー心理学をもって、この「原因論」を強く否定します。代わりに、過去の原因ではなく今の目的によって人は行動する、という「目的論」を唱えます。
具体例を出すと、「いじめをうけたから、部屋に引きこもる」というのが原因論。「誰かに心配してほしいから、引きこもる」というのが目的論です。
考え方を変えるだけで、過去の経験の捉え方が変わってきます。原因を気にするのではなく、目的に気持ちを向ける考え方にしようというのが、アドラー心理学の目指すところなのです。
全ての悩みは対人関係にある
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」(『嫌われる勇気』p71より引用)と、アドラーは言います。お金や病気についての悩みの場合は関係ないのでは?と思う人もいるでしょう。青年も哲人に向けて、大きく反発します。
たとえば、宇宙のなかにただひとりだった場合、お金はただの紙切れと化してしまいますし、病気になった場合、生きていくことすらできなくなってしまいます。
アドラーは、対人関係のトラブルに遭遇した時「誰の課題であるか」を考える必要があるといいます。「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」(『嫌われる勇気』p141より引用)を考え、課題を分離していくのです。
この辺りは、以前に紹介した「マフィーの成功法則」と通じる箇所が多いのですが、たとえば親の期待に応えるために自分の進路を決めるとか、世間体を気にして、破綻した結婚生活を続けるとか、身内はともかく、誰かもわからない人の為に自分の人生を犠牲にするのではなく、自分のなりたい自分を目指す。ということが肝心だということです。
課題を分離することは、難しいことかもしれません。しかし、自分も他者も成長するには必要なことです。「課題の分離」は、画期的な対人関係のトラブル解決策だといえます。「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」(『嫌われる勇気』とp278より引用)と。
この本の中にこのようなことばがあります。
現在を作っているのは過去の「原因」ではなく、いまの「目的」を考えます。例えば、外に出たくない(目的)から不安という感情(原因)を作り出している。
我々は原因論の住人であり続ける限り一歩も前に進めません。
世界はシンプルであり、人生もまたシンプルです。
世界が混沌に満ちて見えるのは「世界」が複雑なのでなく、ひとえに「あなた」が「世界」を複雑なものとしているのです。
人は誰しも、客観的な世界に住んでいるのではなく、自らが意味づけをほどこした主観的な世界に住んでいます。
問題は世界がどうであるかではなく、あなたがどうであるかなのです。と。
大切なのは、
- 自立すること
- わたしには能力があるという意識
- 社会と調和して暮らせること(人々はわたしの仲間であるという意識)だそうです。
わたしたちは、たった今から変わることができます。過去も未来も関係なく、今をどう生きるか。どんな意味を持って生きるかは、自分で決めることができます。あとは一歩を踏み出す勇気を持っているかどうかですね。
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