ぞうきん一枚で人生が輝くそうじ力

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最近読んだ本に船越耕太さんの書かれた「ぞうきん一枚で人生が輝くそうじ力」というのがあります。

(2016年に大和書房から出版)

この本、すごく読みやすいうえに中身の濃い本だなぁと感心しました。

以前に「マフィーの100の成功法則」や「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」を読んだとき以来の衝撃を受けました。

全国で年間100回以上の講演会や掃除のセラピストとして活躍されている彼はトイレ掃除をする時、素手で便器を磨きます。長年のあいだに吸い込み穴の中にこびりついた見えない汚れを指で剥がし取るために手を突っ込んでゴシゴシ磨くそうです。

正直、「ぎょぇ〜〜」ってなります。

彼自身も「誰が使ったかわからない便器に素手を突っ込めるひとは、せいぜい0.1%くらいでしょう」と言っています。

しかし、こうして”汚い”とか”嫌なもの”として見ようとしなかったものに真摯に対峙することで、いままで自分の心の奥に隠してきた負の気持ちやコントロールできなかった根っこの部分が一気に反応し、自分が変わり始めるらしいのです。

彼曰く、トイレ掃除をすることが自分の中の潜在意識を変える唯一の方法なのだそうです。

わたしもトイレ掃除はずっと苦手で、しなくて済むなら永久にしたくなかったですし、外出先でどこのトイレでも平気で入れるわけでもありませんでした。

公衆トイレに入る時はまわりが見えないようにメガネを外すくらいトイレは汚いもので嫌なものという先入観でゴリゴリに固まっています。

そんなわたしがこの本を何回も読み返していく過程で、筆者のように(自宅の)トイレを素手で触る体験をすることができました(おっかなびっくり)。また読み返すたびに新たな発見や感動がありましたのでぜひ皆さんにご紹介したいとおもいます。

トイレ掃除を始められたきっかけ

彼は中学一年生の時、いじめられて学校に通うのが嫌になり、お父さんに「学校に行きたくない」と言ったところ「学校を辞めることは大賛成だ」とお父さん。そして続けて「お前が出来る”苦手なこと”や”嫌なこと”をたった一つでいいから毎日続けてみなさい。1000回超えたら人生が変わるから」といわれたそうです。

父親に「学校を辞めるのは大賛成だ」といわれた彼は、その後学校は辞めずに通い、もっとも苦手だったトイレ掃除に毎日挑戦することに決めました。

年々に変わる目的や心情

お父さんの言葉を信じ、彼は実家の民宿のトイレを毎日掃除しはじめます。

一年目は「掃除をしてえらいね」と褒められることが嬉しくて頑張りますが、二年目になると彼がトイレ掃除をすることが当たり前になり、もう誰も褒めてくれません。褒められるという目的が満たされないので何のためにやっているのかわからなくなり気持ちが悶々。でも、そうじ自体はいやではなかったのでそのまま続けます。

三年目になるとトイレを綺麗に掃除したのにも関わらず、まだなにかトイレの空間が気になるという気付きが起きます。

寝転んだりしていつもと違う角度からトイレの空間を眺めてみたところ、いままで見えなかった場所にも汚れが溜まっていることに気づいたのです。

彼はそれまでの二年間は表面的な汚れしか意識していなくて、見えない部分の汚れに背を向けていたのでした。

いままで背を向けていた部分の汚れを抵抗なく受け入れることができた時,彼の心の「汚い」という勝手な思い込みが外れ、心の奥底にある「現実と向き合う不安や恐れ」が取り払われたような感覚に陥ったそうです。

心のブロックの解除

私たちの心の奥には「うまくいくはずがない」とか「やれるわけがない」というネガティブな感情や現実と向き合う不安や恐れがあります。

それを手放せないのは過去の経験や思考の蓄積などによって長年の間に形成されてしまったメンタルブロックがあるからだそうです。

なのでメンタルブロックがそこまで出来てない子供達にとっては素手でトイレ掃除をするところを見せてもあまり抵抗感がなく大人より受け入れられやすいそうなのです。

メンタルブロックとは

このメンタルブロックは人生において最も厄介で、やりたいことがあっても、行きたい方向があっても行く手を阻みます。

メンタルブロックを意識化でコントロールできないのは、この心理が「潜在意識」の領域にあるものだからだそうです。

顕在意識として表に現れているものはほんの数%。

本人が自覚することができない潜在意識はあとの95〜97%

そしてその顕在意識と潜在意識の間に存在して「思い込み」という蓋をするのが「メンタルブロック」なのです。

思考や現実をコントロールしているのが潜在意識なのだとしたら,ネガティブになってしまっている潜在意識をポジティブに変換してあげる必要があります。

潜在意識を変換するためには,まずその心のブロックをはずすこと。

その手っ取り早い方法がトイレ掃除なのだそうです。

「見たくない場所」「見たくない物」にはその人の人生において無意識下で感情の整理できていない自分がいて、あえて表面的なことしか見なくなっています。

そんな状態ですが、身の回りを綺麗にしようと「そうじする」「行動する」「体を動かす」「ぞうきんで磨く」

そうすることでいままで見ないようにしていた裏側を輝かせることができるようになり見せかけに翻弄されず物事の本質を見抜く力がついてくる。

自分を取り巻く問題は,すべて自分に起因することだと気づくことができるからです。

他人のせいにしなくなれば,自分が変わり、自分が変われば,まわりが変わり、まわりが変われば空間が変わります。

そんな居心地のよい人や空間に囲まれて生きている自分をもっと認めることができる。

すると、精神的にも,身体的にもストレスが減り、自己肯定感が上がります。

自分の中身を輝かせることにより,どこにいても,何をしていても幸せを感じられる自分に変わっていけるのです。

そうじは喜んで

まずは自分が喜ぶ掃除をすることが大切なのだそうです。

感情はその場の空気をつくるので、「なんで自分ばかり掃除しなくてはならないの」とネガティブな感情を撒き散らすのは、自ら汚れをばら撒いているようなもの。不満の気持ちが物や空間に伝わり居心地の悪いものになるそうです。

逆に心を込めて楽しんで掃除をすれば、掃除された物や空間が味方になりホコリさえも良いホコリに変わるそうです。

トイレ掃除はハードルが高いならば、玄関まわりやテーブルを毎日心を込めて数秒拭くだけでも変わるそうです。

停滞した空気を一掃するためにも掃除を通して自分自身を内視していく作業は大切です。

また彼は、何事にも感謝できる人は出口にも気をつけているはずで、感謝が足りない人、つまりわだかまりを抱えている時というのは出口が汚れる。

そこに感謝を向けられるようになると家の空気が間違えるほどクリアになって居心地のいい家になるといいます。

わたしも苦手ではありますが、いままで見ないふりをしてきた排水口や冷蔵庫の上の掃除など順番に掃除して、居心地のよい空間づくり、しいては潜在意識の変革をして行きたいと思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございました^_^

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