こんにちは、ぐらです。
日本は温泉天国。
コロナ明けにはGO TOキャンペーンも始まると思うので、これを利用しない手はない。
そこでその日に備えて、案外知っていそうで知らない温泉の効能や疲れない入り方について学びたいと思います。
今回は松田忠徳さんが書かれた「温泉はなぜ♨️体にいいのか」(2016年)を参考にしていきます。
健康寿命を伸ばすために出来る事
現在の日本人の寿命は世界でもトップクラス。
しかし残念ながら健康寿命といえばそれより10年ほど短くなります。
人生の締めくくりに10年前後もの寝たきり、長期介護が待ち受けているという厳しい現状もあるようです。
そこで、ここからが我らのヒーロー!温泉の出番なのです。
本来、温泉には予防医学としての医療の本質があるのだから「民族のDNA、伝統と改めて向き合う時代がいよいよ来た。」と著者は勇みます。
温泉効果で弱酸性に整える
老化とは細胞が錆びること、酸化することなのです。
私たちは毎日の生活の中で知らぬ間に浴びている活性酸素の素になるものには下記のようなものがあります。
- 強い紫外線
- 放射線
- 激しい運動
- 強いストレス
- 不規則な生活
- タバコや過剰な飲酒
- 車の排気ガス
- 工場の排煙
- ダイオキシンなどの環境汚染
- 農薬
- 合成保存料や食品添加物
- 塩素系薬剤 など
これらの作用が知らぬ間に体の細胞を酸化、変成させます。
そして細胞膜を破壊し、老化や病気につながっていくそうなのです。(これを酸化ストレス状態といいます)
例えばシワは肌を支えるタンパク質、コラーゲンやエラスチンが活性酸素(一重項酸素)によって酸化された結果刻まれていく。
強い酸化ストレスがミトコンドリアやDNAを傷つけ,見た目を老化させるのですが、それ以外にもガンや糖尿病,動脈硬化,高血圧症,心筋梗塞,脳卒中、肥満症などの病気の原因にもなっていくそうなのです。
そこで著者の提案は、予防医学として強い抗酸化能がある温泉に(硫黄泉など)未病のうちに年2、3回、2、3泊の頻度でプチ湯治に行こうということ。
発病に至らせないという考え方がこの本には具体的に書かれています。
温泉の作用と効果
温泉効果を大きく分けると次の3つになるそうです。
- 還元力
- 細胞のサビ(酸化)を防ぐ抗酸化力
- 精神的「癒し」効果
「人間が病気になる原因は、天候、食べ物、精神的なもの様々だが、真の原因は人体における気の鬱滞である。」と著者は言います。
言い方を変えれば交感神経と副交感神経のバランスが正常であるかどうかが大きく関わってくるようです。
温泉の意義は体温を上げ,副交感神経を優位にして、自然治癒力、免疫力を高めることにある。
著者は以前山口県にある俵山温泉にご夫婦で湯治にいかれたそうです。
俵山の温泉はphが10に近く、お湯につかると酸性に傾いた肌にアルカリ中和機能が働き、美白力、肌のハリが強化されたという実験結果も紹介されていました。
また硫化物、水素分子、鉄(Ⅱ)イオンなどの還元剤の作用が強い温泉成分が肌の下の結合組織から血液、リンパ液に入り、全身の細胞へと運ばれ、肌の還元力が増し、老化、疾病の原因となる活性酸素を消去抑制したというデータもありました。
俵山温泉(抗酸化力の強い温泉)に入ることにより血流量が増加し、新陳代謝が促進され、自律神経のバランスが整い、体温も上昇する。
温泉に浸かり、舌下温度が38度以上になると、HSPという細胞のタンパク質を強化できるそうです。
またバリア機能を破壊することなく、保湿能を高める効果もある。
乾燥を防ぐため、湯上がり後15分程度以内には、保湿剤などを使用することは大切だそうです。
温泉浴は末梢血管の血流速度も増し、新陳代謝により体の細胞の隅々まで酸素と栄養を行き渡らせ、老廃物の解毒(デトックス)を促進します。
また副交感神経が優位になり自律神経のバランスが整えられ、HSP70が活性化する(美肌効果を高めるタンパク質)。
いいことづくしですね。
温泉の心得
江戸後期天保5年山崎大湖「温泉浴法」には次のように書かれています。
「入浴の良いか否かを試してみようとするものは、その初めの入浴の際、胸や腹がひろびろとなり、しきりに空腹となり、食が進み、食がおいしいとなれば、これはその温泉が的中したのである。」
「もし胸や腹がいっぱいとなり、食べたいと思わないのなら、それはその温泉が適当でないからである。入浴してはいけない。1日過ごして再度入浴してみて、前のようでなく、よく空腹で食が進んでならば入浴して良い。」
とあります。是非、今度温泉に浸かるときはお湯が自分の体調と合っているか感じてみてください。
温泉に入る回数について
一泊旅行に行くと欲がでて何度も温泉に入ろうとしてしまいますが、度を越す入浴はあまり身体に良くないようです。
温泉浴法にはこのように書かれています。「およそを浴すること、1日に二度、三度を程良しとすべし。痩せて弱だちの人は一、二度を限りとすべし。
ふとりて強き人は三度、五度に及ぶとも害にもなるまじ。
これを過ぎれば効能を失いてかえって疲労するのみになり。」
浴法について
「およそ浴するもの、まず湯を注ぎかけ、湯槽の端、居るべきところを温め、杓を持って肩より背腹へ注ぎ、その後静かに湯槽の中に入り全身へ温かみ透りて湯槽を出であがるべし。この如くすることを一度二度、あるいは三度、銘銘好みにまかすべし。されども四度,五度に及ぶことなかれ。必ず疲るるのみなり」と。
そして「肌を和らげ子供が水に遊ぶ旬な気持ちでひしゃくで温泉温泉を汲み取り、ゆっくり両肩および腹や背中にかけ、布巾をお湯に浸し、顔を洗い、心を静かに。」
「湯から上がったら、風に当たってはならない。湯上がりには湯の気が全身に通って寒さを感じない。故に浴衣1つで長く座っていて風の寒気に身体を害されることが多いものだ。これをよくよく慎むべきである。」と注意されています。
他の注意点としては、普段のお風呂のようにシャンプーやボディーソープを使って身体を洗いまくるのもあまりよろしくないと書いてありました。
温泉に来た時ぐらいはお湯でさっと流すくらいにして、それよりもゆったりとリラックスして湯に浸かる湯あみを心から楽しみましょうとありました。
なるほど、心がけたいものですね。
おすすめ温泉
著者が本の中で紹介されていたおすすめ温泉の一部をご紹介します。
まずは島根県玉造温泉
「万病全て治癒してしまう神の湯」
奈良県十津川村温泉
三重県榊原温泉温湯・岡山県湯郷温泉
「ぬる湯に1時間くらいゆっくり浸かる」
山口県俵山温泉「リウマチの名湯」
岡山県奥津温泉「美肌の湯」
福島県高湯温泉「硫黄泉」(弱酸性)
和歌山県湯峰温泉 「本宮の湯」
などが紹介されていました。
まだまだ日本中に良い温泉がたくさんあります。
せっかくなので健康増進と美肌作りを兼ねて近場の温泉に湯治に出かけてみませんか?
何も泊まりでなくても週に2回ほど近所の温泉に入りに行けば、かなり活性酸素も除去され、phも整うようです。
私は出来ることなら「全国湯めぐり食めぐり湯治の旅」をこれからの人生のライフワークにしたいところなのですが。。。
なかなか難しそうではあります^ ^
皆さんも温泉ライフをエンジョイしてくださいね!
では最後まで読んでいただきありがとうございました。
俵山温泉紀行
5月の末頃、平成版西日本温泉の横綱と云われる俵山温泉に湯治に出掛けました。
俵山温泉街の民宿や旅館にはおおむね内湯(温泉)がないため、外湯を利用して湯治を行います。
俵山温泉には、「白猿の湯」と「町の湯」の2つの施設があり、それぞれに温泉の効能が違っているのが面白いです。
「白猿の湯」はレストランも併用する大型施設で、温泉も内風呂2つ(ぬる湯とふつう湯)に露天風呂や寝湯があります。
大人料金が850円しますが、せっかく旅行に来たのだからゆっくり浸かりたいという人向けです。
効能としては神経痛、リウマチ、アトピー性皮膚炎などにも効果があるようです。
肌がすべすべになり、肌の色も白くなったような気もしました。
ここには20ℓの持ち帰り用温泉水もありますが、飲用ではありません。
赤ちゃんのおむつかぶれなどに使うと有効なようです。
もうひとつの「町の湯」は町民が交代で店番をして地元の人たちが利用している源泉掛け流しの温泉で「銭湯」という感じの公衆温泉です。
お風呂は内風呂がふたつあるだけです。
何時間も居られる感じではありません。
しかしながらお湯の滑らかさはピカイチだと思います。
しかも飲用できます。
だいたい一回の入浴は10分から20分くらいにとどめておくのが適切なのですが、わたしは「白猿の湯」で3時間という長湯をしたため、ぎっくり腰をやらかしました。
すこしでも元を取ろうという浅ましい性根が働いたためです。
「町の湯」なら大人料金480円で「白猿の湯」の半額程なので、ここに20分ほど浸かれば良かったな、と今は思います。
ちなみに宿泊したのは山口屋別館という唯一、内湯(掛け流し温泉)のある民宿です。
フグ刺しや鯨の刺身、兜煮など料理もとても美味しくて大満足でした。
お風呂に入るとお腹が空いて、どれだけでも食べられます。ご飯も三杯食べました。
ペット連れのお客さんも泊まれる離れもあり、オススメです。
最終日に「町の湯」で20ℓの飲用できる温泉水(宅配可)を2箱購入して帰路につきました。
価格:6,600円 |
これは一年くらい愛用している温泉の素です。
長湯温泉の重炭酸のお風呂に入り、俵山温泉のph9.9のアルカリイオン水を飲む日々。
俵山温泉に勝るとも劣らない長湯温泉が出している温泉タブレットですが、お肌がすべすべになりオススメです。