新政権に望むこと

gura

こんにちは、ぐらです。

2021年10月31日に行われる衆議院議員総選挙に向け、日曜朝のテレビ番組では各党の代表が、今後の政策について活発に議論を交わされていました。

経済、外交、コロナ対策など、幅広くいろいろな政治の課題について話し合う中「格差社会の解消について」の提案の声も上がっていました。

官製ワーキングプア

そこで、今回は官製ワーキングプアについて勉強していきたいと思います。

公務員と言えば、安定した収入に安定した職場の代名詞でした。

しかし現在では、実にその公務員の3人が1人が非正規の公務員であり、住民生活の身近なサービスを支える窓口業務などを担うのも、また多くが非正規の公務員であるのです。

2020年には格差社会の是正という旗振りのもと、有期雇用の非正規労働者が5年を超えて働いた場合、無期雇用に切り替えることを企業に義務づける「無期転換ルール」が始まりました。

しかし、なんとこの法律は自治体職員には適用されないため、その後も数年おきに試験を受けて、契約を更新しながら働き続けなければならないのが実態なのです。

全国的にタブーな問題

また、自治体で働く「非正規公務員」の待遇改善を進めるために、2020年4月からボーナスや退職手当などを支給できる新たな制度が始まりましたが、業務の内容が変わらないのに勤務時間が短くなり、収入が減ったり、ボーナスは支給されるが、給与が減らされたなどという声が相次いでいるのです。

日本社会には、誰もが知っていながらも、積極的には触れないタブーがいくつもあります。

公務員の給与は税金から払われているために、財務支出が抑えられれば、それに越したことはありませんが、資本主義社会の歪みそのままに、理不尽に搾取される人がいるという現実を私たちは知らなければいけません。

実はブラック?な職場

非正規な働き方をする公務員といえば、自治体の窓口業務担当者や公立の学校教師、公立の図書館司書、公立保育園の保育士などがあり、同じような内容の働き方をしていても、非正規公務員の約70%が所得200万円未満であり、中央値を計算すると、非正規公務員は149万円だそうです。(2021年現在)

正規公務員の平均561万円と比べると、かなりの開きがあります。

給与が1/3ほどしかないにも関わらず、退職金もなく身分も保証されません。

しかも、一応(?)公務員ということで副業も禁止されています。

これだけの収入だけで生活するのはとても難しいと思います。

また当事者は不満を言いたくても容易でなく、もし解決しようとすれば既得権を脅かすために、逆に自分の立場を悪くしてしまうのです。

続けたければ、ストレスに耐え、我慢するしかないのです。

ブラック労働撲滅の旗振りをする「官」の世界でもこのような現状があるのです。

この点について、岸田首相はどのように考えているのでしょうか。

そのつど公募、そして試験

まだこのほかにも問題があります。

一番、非正規公務員の皆さんの怒りをかっているのが、雇い止めと公募試験の導入です。

「無期転換ルール」の盲点は

会計年度任用職員には労働契約法が非適用なことです。

ですから何十年勤めても無期転換権は発生しません。

会計年度任用職員制度の導入にあわせて、3~5年ごとに一般求職者とともに、公募試験を受け、試験に合格しないと雇用が継続できないとされたのです。

無期転換権が発生しないのに、なんで公募試験を強制されるのか。

確かに無期転換権は発生しないのですが、長く勤務してきたという事実があっても何の手続きも取らずに任期を繰り返していると、非正規公務員の側に雇用継続の期待権が生じると考えられてきたからです

ですので公募試験を実施し、適切な手続きを行なっているというポーズとしたかったのでしょう。

しかし、これは長く従事することで得られる専門知を蔑ろにする行為です。

専門職の非正規公務員のプライドを傷つける絶対にやってはならない行為です

いまでは、この公募試験の強制は「制度化されたパワハラ」とも名付けられています。

しかも、その試験に応募する一般公募者も面接に関しては、既存者にくらべてなかなか不利な条件となるのです。

では、どうすればいいのか。

少子高齢化が進む中、柔軟な働き方を否定するものではありませんが、今後は正規・非正規という日本独特の区分は見直し、職務内容や労働時間に応じて分かりやすく給与が決まる制度に変える時期に来ているのだとおもいます。

格差社会の改革、それと最も隔たった動きをしているのが「官」の世界であるとは皮肉なことです。

まずはトップの方針が第一です。

この大きな社会問題が、いつまでも議論のテーブルの端にもかからないようでは、やはりまだ本気で日本を良くしていこうという気概が足りないのか、男女均等雇用問題に積極性が欠けるのだと思います。

これでは今後もひとり親世帯(シングルマザー)や、高い志を持っていてもなかなか職につけない若者(ワーキングプア)がこれで一生生活をしていくことはままなりません。

誰もが自分の職場や仕事に誇りを持ち、まわりの仲間と健やかに安心して生活してゆける環境作りを今こそしていただきたいと願うばかりです。

本当の意味での格差の是正を期待しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました😊